M-1グランプリ2018問題について私見

こんばんは。

すっかりご無沙汰しております。

すみちょふです。

 

風邪をひく→治りかける→風邪をひく→治りかけるをループしている冬です。

皆様もどうぞご自愛くださいませ。

 

さて。

タイトルにもありますが、今年のM-1の審査員への暴言問題について、ちょっと、気になったことがありましたのでブログを書きたいと思います。

 

 

女性リーダーは加害者になりうる、という話

 

興味のない方々には申し訳ないのですが、M-1グランプリ中川家優勝の初回からずっと見ておりまして、今回のM-1も興味深く拝見させてもらったのですが、いかんせん優勝コンビよりも、審査員の上沼恵美子さんに配信した動画内で暴言を吐いたとろサーモンの久保田さんとスーパーマラドーナの武智さんの方が話題になってしまい、なんだかなぁという結果になってしまいましたね。

 

事件の一連の流れをご覧の方は、どこに問題があったと思われますか?

 

この件に関しまして、もちろん暴言を配信したお二人に問題がありますし、事務所やテレビスタッフも巻き込んだ大事に発展しているのも仕方ない話だと思います。

 

ただ、彼らの動画が配信された際に、「そうだそうだ!」と一部には同意するような意見も寄せられていたんですね。

 

また、審査員を否定する暴言が出た事実に対し、「男性審査員だったら言ってないはず」という意見があり、この二点は看過できない視点ではないかなーと思いました。

 

 

私が今回の事件を知って、真っ先に思い出したのが、黒川伊保子さんの著書「女は覚悟を決めなさい」の内容でした。以下引用。

 

外に向かって発言するときは、(中略)加害者となることを案じるべきじゃないだろうか。それが出来たとき、女性は真のリーダーになるのだと思う。

 

あなたが思うほど、周りは発言を軽く見てはくれない。あなたには影響力がある。ここからは、加害者になりうることを常に忘れないことだ。

 

加害者意識が、女を輝かせる

 

引用以上。

最初にこの本を読んだ時、「加害者意識」というワードの強さに度肝を抜かれたのですが、すなわち、女性脳は「被害者意識」で身を守るように出来ているが、大人になるにつれてそれは封印して、自分の発言や行動が誰かを傷つけるかもしれない、加害者になりうるのだと周囲を気遣えるようになったとき、女性は真のリーダーになれるのだ、という話でした。

 

つまりですね、何故このことを思い出したかと言うと、やっぱり上沼さんの審査員としての発言に「なんでこういう言い方しちゃうのかなぁ」と引っかかるところが個人的に多々あったからなんです。

 

例えば、「好きです」「嫌いです」「ミキに来てほしい」という感情面を強調した言い方。

 

これ、言われた側は逃げ場がなくなる言い方ですよね.....

 

断っておくと、人間が人間を審査するという前提で行われる大会なので、最終的に「審査員の好み」がものを言う、というのは参加者も視聴者も知ってるわけです。年によって審査員との相性も結果に響いたりすることは、百も承知で参加しているわけです。「好きじゃない」からチャンピオンに選ばれなかったとしても、それでもM-1グランプリで優勝することに価値があると信じて、参加してるわけです。

 

だから、久保田さんや武智さんの発言は「今更何言ってんねん」「負け惜しみやないかい」と言ってしまえばそれまでなんですけど。

 

でも、やっぱりアホみたいに人生かけてM-1賭けてる挑戦者の気持ちを慮るのであれば、最終的に好みで審査することになったとしても、「嫌いです」とか、特定のコンビを贔屓するような発言は好ましくないんではないかなぁと感じた次第です。

 

例えネタだったとしても。中川家礼二さんが「この場ではボケれない」と仰ってましたが、とてもじゃないですがネタとして受け取って笑えるような状況じゃないみたいなんですよね、挑戦者の方々は。ガチすぎて。

 

と、ここでもう1つ思い出すのが、

「いやいや、好き嫌い言ってたの上沼さんだけとちゃいますやん。他の審査員も言うてましたやん」「なんで女性にだけ暴言吐くねん」ということなんですけども。(松本さんとか志らくさんも「個人的には.....」みたいな言い回しで言ってましたね)(以前立川談志さんが審査員で出演されてたときらもうほんとに大変だったんだから.....翌年から出演されなくなったけどw)

 

いや、悲しいかな。女性だからこそ、より一層気を使わなくてはならないわけです。これはもう女性がリーダーとして立つには避けては通れないのです。

 

前述した黒川伊保子さんの著書の中にあるように、女性リーダーが「被害者意識」を振りかざした途端、「これだから女は!」とそっぽを向かれるのは目に見えております。

 

お笑いの世界も男性が多い男社会ですからね。「女性としての視点がほしい」とかなんとか言いながら、男性社会の予定調和を崩す女性の存在は彼らにとって基本は目障りなのです。そんな逆風のなか、しなやかに、賢く、たくましく生きていかなくてはならないのです。

 

上沼さん、事件の発覚前に審査員引退宣言されたそうですが、審査員辞めないでほしいなぁ。だって、女性でM-1グランプリの審査員できる方、上沼さんしかいないでしょう。

 

上沼さんみたいになりたいっていう、若手女性芸人って、今、いるかな?

そんな覚悟をもって芸人している女性、現代には存在していない気がする。

 

それだけ、本当に険しい道のりだろうと思うので。

 

なんだかダラダラ書いてしまいましたが、今回のM-1問題から、男社会と女性リーダーの立ち振る舞いについていろいろ考えさせられた次第です。

 

最後になりましたが、霜降り明星、優勝おめでとう!このコンビの魅力は、個人でもそれぞれ強いこと。最年少チャンピオンがお笑いの新時代を切り開いて行くことを期待しております。

 

ちなみに、私の「選り好み」で言うならば、私は和牛推しです(笑)

 

ではでは。SEE YOU!

 

 

 

追伸

 

拝啓ギャロップ様。

「面白いハゲ方」の答えって、ひょっとしなくてもトレンディーエンジェルのお二人なのではないかしら.....

つまり、先越されてたわけですね.....なるほど.....

 

 

追伸その二

 

M-1グランプリはその場のお客様の空気とか審査員との相性が評価を左右するのは前述しましたが、ショーレース向けじゃないと指摘されても最後まで我が道を貫いたジャルジャルはかっこよかったですね。

 

ただ、同じく9年間我が道を貫き続けて最後の最後にチャンピオンになった笑い飯がいたように、ジャルジャルにあと何年か時間が残されていたら、審査員もお客様も時代も自分たちに寄せられるような結果があったかもしれないと思うと、空白の5年間が悔やまれるばかりです。

 

 

また、トレンディーエンジェルM-1チャンピオンになった際に、「時代は変わったな.....」と思ったのですが、所謂しゃべくり技巧派漫才ではなく、ハゲネタ1本でギャグなんかも挟みつつ進行するイロモノ漫才(※個人の見解です)でもチャンピオンになれる可能性があると世の中に示したことは、世のトリッキーな漫才を繰り出す芸人たちに希望を与えたのだろうなぁと思いました。

 

 

追伸その3

 

肩書とか受賞歴とか、本当は関係ないし。面白いかどうかなんて千差万別だし、ショーレースで1位になってなくたって評価されてる、売れてる、面白い芸人さんなんていっぱいいるし。

 

そんなのわかってるんだけど、それでも、M-1グランプリで優勝したくて、人生をかけて一番面白い漫才してやるんだって努力を重ねている方々へ。

 

そんなアホなあなたたちが大好きだ。これからもずっと応援してるぜ。